若手プレイヤーの奮闘と挑戦

若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.12




目次

  • 誰もが過去と未来で迷う今がある
  • 決断の先に求めた未来があると信じて
  • 何が求められる時代なのか

2019年7月から連載を始めた
「若手プレイヤーの奮闘と挑戦」
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.1
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.2
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.3
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.4
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.5
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.6
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.7
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.8
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.9
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.10
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.11

猪狩渉、秋田ノーザンハピネッツの長谷川暢酒井逹晶鍵冨太雅、中山大輔

2019年6月某日に行われたワークアウトに集まった
若手プロ選手やアメリカの大学で戦う選手達

彼らを追いかけている。




誰もが過去と未来で迷う今がある


今回は取材や話を聞いたことではない。
彼らと話していて、僕自身が感じたこと、考えたこと。
僕自身も同じ年代のころ、もっと言えば、今、この瞬間もそんな迷いの中にいることがあるということ。

それはみんな変わらないと思う。

そんなことを彼らと同じ時間を過ごす中で感じたことを記していく。

2月某日

たまたま鍵冨太雅と話す機会に恵まれた。

今思うと、ワークアウトであったり、ポッドキャストの収録、試合のインタビューなどでは話してきたが、彼と向き合って、彼の話を聞く機会はなかったとその時思った。

スラムダンク奨学金の10期生として、アメリカに渡り、その前には名門大濠高校で活躍し、U16、U19の代表にも名を連ねた。現在通うボウディンカレッジはアメリカも有数の学力を誇り、そこからは誰しもが1度は耳にしたことがある有名企業にステップを踏んでいく。そんな彼を僕らは一体どんな目で見ているのだろうか。

少なからず、僕は特別な人間だと思っていた。

年齢を感じさせない落ち着いた風貌で、才能に恵まれ、もちろん誰よりも努力をしてきたことも間違いない。
手を伸ばせば、僕らが憧れるような様々な景色に届くんだろうな…
そんな少し嫉妬にもにた感情がないわけでもない。

「あー、彼のようにプレーができたら…勉強ができたら…」なんて甘えた心が思ってしまう。

しかし、彼と向き合う中で、僕が愚かだったことに気付かされる。

何より、彼も周りと変わらぬ20代前半の学生として、コロナ渦のアメリカの学生生活で様々な不安を感じていること。
そして、パラダイムシフトが起こりつつある現代の中で、様々な選択肢の中で、彼自身がそこから何をチョイスするべきかを迷っていること。

これも、嫌味な言い方をすれば、選択できることが羨ましいとさえ僕らは感じてしまうが、そんな気持ちは彼の中に微塵もないことを、やりとりをする中で感じた。

鍵冨太雅は自分が持っているもの、経験をこれからの未来により良い形で還元して行きたいと考えていた。

具体的に何か?などは言及を避けるが、10個も下の新しい鍵冨太雅の一面を見たときに、どこかほっとする感情と、どんな未来を選んでも、彼を応援したいという気持ちが芽生えた。

その他愛もない話は、決して特別なものではなく、彼と同じ20歳前後の青年の描く未来や夢を語る姿と何ら変わらない。

そして何より、そこにはバスケットボールが大好きな鍵富太雅がいた。

笑顔で、身振り手振りを交えながら、バスケットボールのワンプレーを語る彼の姿は、どこにでもいるバスケ好きな大学生であり、理想の未来を描くために、様々な考えを人一倍巡らせ、努力をしてきたのだと、その時知った。

それは才能でも何でもないし、努力、そして彼の人間性で得た無数のチャンスに今はまだ答えを出せずにもがく、そのリアルさえも、鍵冨太雅の人を惹きつける魅力なのその時感じた。

誰もが過去と未来の迷う今がある。

僕自身もそうで、きっとこれを読んでくれているあなたもそうなのではないだろうか。

それでも、きっと決断をするときはくる。

その時により良い決断をするために必要なことを鍵冨太雅は教えてくれた。

それは今の自分と向き合い続ける努力、そして、思い描く自分に一歩でも近づく努力なのだと。




決断の先に求めた未来があると信じて


そして、ある決断をした男がいる。

2月某日

スラムダンク奨学金の8期生
猪狩渉が海を渡った。

2019年6月に地元の福島ファイヤーボンズの契約満了後、海外挑戦を心ざし、さまざまな挑戦をしてきた。

しかし、コロナの影響で身動きが取れないなどのさまざまな環境の変化もありながら、

猪狩渉は1つの決断をし、それが今回身を結んだ。

アメリカ独立リーグ ABA Chicago Fury と契約

そして、本日、試合に出場し
7分の出場で6得点、2スティール、1アシストを記録した。

猪狩渉とは定期的に連絡を取っていた中で、たまたま渡米の日、僕は仕事が休みだった。

朝、8時

空港に向かい、出発前の猪狩渉と少し会話を交わした。

もちろん、これも他愛もない会話ばかりだが、彼の表情から今までにない覚悟を感じた。

24歳

日本では若手プレイヤーと言われるが、正直若くはない。

すでにIMGで同じ時を過ごしたジョナサンアイザックなどは、彼が目指すNBAの舞台で活躍をしている。(現在は怪我でプレーなし)
他競技になるが、サッカーのJリーグの平均の引退年齢は26歳。

それを考えれば、この挑戦が、決断がどれだけ彼に取って大きなものかは言うまでもない。

また、NBAの下部リーグとしてGリーグが存在するが、今回の挑戦はそこでもない。
独立リーグのABAからのスタートだ。

僕が中学生の頃、田臥勇太をはじめとした日本のトッププレイヤーがABAに挑戦していた。
しかし、近年は八村塁などのNBA選手の登場、渡邊雄太、馬場雄大もGリーグで一定の以上の成績を残した。

その中で、日本でのABAの立ち位置は薄れるばかりだ。

実際、僕の知る限りでも、ABAでプレーする日本人が何人かいる。
しかし、それはBリーグの誕生、市場が大きくなったこともあり、レベルの低い挑戦、価値のない挑戦に思われている節がある気がしている。

それに僕はどこか悲しさを感じる。

僕はプロ選手なんて夢のまた夢だったが、当時、田臥勇太のABAの記事を穴が開くほど読み込んだものだ。

そこには夢やロマンがあった。

遠い異国の地で、日本人が活躍するというロマン。
そして、そこから世界最高のNBAを目指すというロマン。

この決断は遠回りなのかもしれないし、NBAまで届く確率なんて、ものすごく低いことはわかっている。

けれど、そんなことはきっと猪狩渉本人が死ぬほど考え、ぶち当たった壁なのだと思うから、僕は信じて応援しようとその時思った。

何より、バスケットボールに夢中になっている猪狩渉が1番かっこいい。

そのことだけは間違いない真実だ。




何が求められる時代なのか


コロナ渦での生活も1年たった。
もちろん苦しみはあるし、悲しかったこともある。
知らないところで、今日もきっと苦しみや悲しみが生まれている。

情報を錯綜する。
日本だけでなく、海外の情報もすぐに手に入る。

コミュニケーションはオンラインは一般的になった。

そんな時代に求められるものは何かと考えた時

僕は夢やロマンなのではないかと思った。

だからといって、僕が今からプロバスケ選手だったり、バスケットボールに生きることは難しい。

けれど、そんな夢やロマンを追いかけ、今を必死に生きる若手プレイヤーがそこにいる。

鍵冨太雅、猪狩渉

これから彼らが進む未来がどんな景色なのかはわからない。

けれど、きっと悩み、もがく彼らのリアルは、小さな歯車を知らないうちに動かすだろう。
日本、世界のどこかで彼らに魅了され、彼らに憧れ、彼らに勇気をもらう人が必ずいるだろう。

彼らの未来が描く景色に少しでも近づくように

遠い日本から応援している。

そして、彼らの姿が、未来のどこかにしっかりとタネを植えているのだと僕は感じている。

なぜなら、誰よりもそんな勇気をもらったのが、僕であると確信しているから。

登場選手のSNS


鍵冨太雅
Twitter
https://twitter.com/TKagitomi
Instagram
https://www.instagram.com/taigainny35/

猪狩渉
Twitter
https://twitter.com/ChuckWataru
Instagram
https://www.instagram.com/wataru_4/

是非、各選手のSNSのフォローをして、応援をよろしくお願いいたします!





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