20-21 レバンガ北海道から考えるバスケ No.1

こんにちは、宮本です。

B1がバイウィークなので、少し振り返りをしようかなと思いました。

個人的にもありがたいことに忙しくさせてもらっている中で、気晴らしになるかな…と思って更新できたらしたいと思います。

20-21シーズンのレバンガ北海道はどう映っているでしょうか?

37試合を消化して、9勝28敗。

結果としては、いまいちですが、内容はどうでしょうか?

おそらく満足いってない方が多いのかな…と思うのですが、どうでしょうか?

まー、何をもってして満足感を得るのか?にもよりますが、プロスポーツである以上、それが勝利であり続けるクラブは強くなっていく権利をもっていると思います。

今回は簡単な振り返りをして、仮説を立ててみたいなと思います。

立てた仮説は、時間があれば、検証してみたいし、皆さんが興味あれば、ご自身で検証してもらえればいいかなと思っています。

スタッツを振り返る

僕がまとめているスタッツを共有したいと思います。

数字が細かいですが、Twitterとかにも載せているものなので、特に珍しいものではないかと思います。

細かい説明などはちょっと時間がかかるので、省きますが…まず、大前提として、忘れてはいけないのが、

バスケットボールは対人スポーツだ

ということです。

それだけは今回、頭の片隅に入れて帰ってほしいと思います。

少し、時期に合わせて振り返ってみましょう。

序盤戦のレバンガ

開幕戦は大敗からスタートしましたが、富山戦からジョーダンテイラーの合流、そして第4節の秋田戦で大勝した時は、「これが新生レバンガだ!」みたいな空気感があったと思います。

ただ、当たり前ですが、そんなにうまく続くものではありません。

なぜなら、バスケットボールは対人スポーツだからです。

大きな枠組みで見れば、開幕時点でもレバンガ北海道の戦力は下位グループの位置付けで間違いないと思います。

それは事実であり、「お前、応援してないのか?」とか「チームのこと信じてないのか?」言われても、事実は事実なので、返す言葉がありません。

僕は身長168センチですが、信じていれば175センチになれるわけでも、見えるわけでもありません。(なりたかった…)

175センチになるとしたら、サバ読むか…くつで誤魔化すしかありません。

要するに事実をしっかりと受けいれることは、もはや強さであり、ねだってもないものはないので、今あるもので前に進んでいく方法を考えていかなくてはいけません。

そういう意味で、今シーズンの宮永HCを中心として、上野ACやスタッフの陣容は素晴らしいものだったと思いますし、期待は今の勝利以上に、未来にもっていたのではないかな?と僕は思うので、9勝という事実も別にあり得るよね。という感じかなと思います。

むしろ会見だったり、(これは橋本選手もそうですが…)コーチや選手の言葉は嘘偽りないものが並んでいると思います。

※追記 よかったらこの取材記事、読んでください。橋本の言葉が印象的。

もちろんプロスポーツである以上、結果を求めなくてはいけないのが難しいところですが、着実に前には進んでいるんだろうなーと個人的には感じています。

多分、そういうのも他のチームをたくさんみてみるとよくわかるかなと思います。

中盤戦のレバンガ

ちょっと、書ききれなかったのですが、序盤のレバンガはディフェンスで前にでる。(スクリーンディフェンスもヘッジを多用)そこからファストブレイクに繋げる。というバスケットボールを展開し、ハーフコートではハンドオフのプレーからシューターに積極的に撃たせ、そこからメイヨ、またはアタックでペイントに侵入し、コーナーのもう1人のシューターが待っている。

簡単にいえば、こんな感じのバスケットボールでした。

しかし、中盤あたりから少し変化をしていきます。

それはおそらく怪我人の問題とファウルの問題かなと思います。

今シーズンここまで、レバンガ北海道はファウルの数がリーグ1位の808回。なんとファウル数の絶対的王者と思われていた秋田を凌ぐ数です。

僕は秋田も好きなので、簡単に比較しますが、この2チームはファウルの質が違います。秋田は前にでることによって、コールされるファウルが多い一方で、北海道は手を使うことでコールされるファウルが多い傾向にあると思います。

細かいことはいつか何かで。

1試合平均すると21,8回。かなりのフリースローも与えているかと思います。

そこでコーチ陣は、前から当たることを一旦控えて、チームとして撃たせたいシュートの場所に導く方向にシフトチェンジしたと思われます。

これは必死に頑張っても成果が出ないと言えると思います。先ほども言った通り、プロスポーツである以上、勝利を目指す必要があるので、ファウルが嵩んで、フリースローで簡単にシュートを決められては勝利は遠のきます。

ちなみにシュート期待値(1本のシュートで得点できる点数)は

フリースローが高い傾向にあります。

おそらく平均で70%以上入るので、1本のフリースロー0、7点を与えることになります。

2本だと1、4点。

2ポイントのショットが試合の中で50%で入ったとすると、2✖️0、5なので1点です。

スリーポイントが30%だったとすると、3✖️0、3なので、0、9点です。

これを踏まえると前から当たってファウルする=1、4点を献上する。と考えると非効率的すぎることがわかると思います。

そして、おそらく序盤から中盤までのポゼッション数が80台後半でしたが、ある時から、70台後半から80台前半で落ち着きました。

それはディフェンスを変化したことによって、ファウルでフリースローが減ったからだと推測することができます。

レバンガのシュートについて

バスケットボールは最後に1点でも多く得点をしたチームが勝利する。引き分けはない。どんなに美しいバスケットボールを展開しても、最後に1点でも多く得点した方が勝利する。

これも当たり前だが、バスケットボールの本質である。

そのために、チームはより得点が取れる確率の高いシュートを選択する。

では、レバンガにとってそれはなんだろうか?

その前に、世界ではスリーポイントが注目されてかなりの時間がたった。

先程の期待で言うと、2ポイントが50%で入るとシュート期待値は2✖️0.5で1になる。

しかし、3ポイントは35%で入るとシュート期待値が3✖️0.35で1,05になる。

よって、単純計算で、スリーポイントをたくさん打った方が得点がたくさん入ることが期待できる。

ただ、そのためにはよりノーマークでスリーポイントを打てる環境を作らなくてはいけない。

バスケットボールがゴールに近い方が得点はしやすいので、ゴール近辺にディフェンスを集めなくてはいけない。

そうなると2ポイントのシュートやペイントに侵入するアタック(ペイントタッチ)が必要になる。

要はゴールが金庫だとして、泥棒が金庫の近くにきたら、きっとその金庫を守ろうとする。そんな危機管理能力のような感じだろうか。(わかりにくい)

平均値も出しているが、レバンガのシュートの割合はおそらくイメージ通りだと思う。

2ポイントが約60%、3ポイントが約40%。

確率をみてみると

2ポイントが(683/1434)で47,6%

3ポイントが(321/917)で35,0%

2ポイントの期待値が0.952、3ポイントの期待値が1.05で、レバンガ北海道は3ポイントを打った方がいいということになる。

中には3ポイントが50%に近づく試合もあるが、基本的に2ポイントを打つ理由は、試合のどこかで3ポイントを作り出すためと考えてもいいと思う。

序盤はそれがうまくハマっていたし、特に秋田戦はそれがうまくハマった。

非常に効率的に得点ができている

しかし、最近のレバンガはどこかいいスリーポイントを打てている印象がない。

その辺が今、ぶつかっている課題でもあるかと思う。

今、ぶつかっている課題

まず、最初に行ったことを思い出してもらいたい。

バスケットボールは対人スポーツであるということ。

これが本質で、いくらレバンガが打ちたいシュートがあったとしても、対人スポーツである以上、それをさせないようにする相手が存在する。

中盤以降、(2回目の秋田戦の前半を除いて)多くのチームが割とレバンガ対策をしっかりとしているように感じる。

簡単にいえば、中野、葛原あたりをオープンにさせない。コーナーで待っている場合もシュートチェックに行けるような守り方をすることなどだ。

よって、特に中野の活躍が影を潜めはめた。同時期あたりから山口が加入して、そのインパクトによって中野の部分が見えにくくなったことも、僕はマイナスだと思う。

彼は次のステップに行くにはチームになんとかしてもらうのではなく、シューターとして、個人としての間合いやシュートまでの展開を持たないといけない。

よく折茂さんと比較されるが、比較対象にはなり得ない。

中野はシューターであり、折茂さんはスコアラーで、中野はオンボールスクリーンの使い方がうまくなってきたが、オフボールスクリーンはお世辞にもうまいとはいえない。折茂さんのオフボールスクリーンはおそらく今、Bリーグに入ってもNo.1だと思う。

そして、折茂さんは生きるために常に相方を育成してきた。日本代表の佐古賢一であったり、トヨタでの棟方さんや外国籍、レバンガ北海道では松島。同時期に伊藤大司の加入も折茂さんの現役を伸ばした一因だと思う。

いいパサーに自分のタイミングを理解してもらうことで、そのシュート成功率を高めてきた、日本屈指のスコアラーだ。

一方、中野は誰かに生かされることもないし、まだ自分の間合いや形を持っていない。あえて進化の参考を述べるのであれば、それは折茂さんではなく、川崎の辻選手などになると思う。

それくらいオンボールのスクリーンなどがうまくなっている。

逆にいえば、ディフェンスでは正直うまいからスタメンなのではなく、伸びてほしいからスタメンなのだと感じる。

序盤戦にポジションミスやファウルなどが嵩むシーンが目立った。ある意味それもあって、ディフェンスのやり方も変えたのかもしれない。

彼にはすでにこれ以上ない環境が用意されている。

それに答えれるかどうかが、あと23試合の彼のパフォーマンスにかかっていると言っても過言ではないと思う。

そして、そこにも関連するが、ペイントにアタックができなくなってきた。

大きな理由は(それだけではないが)メイヨにボールを預けやすく守られているところがある。

今のレバンガの課題は日本人が2桁いかないと勝てないとほぼ確定しているところだ。

要するにメイヨが30点とって、テイラーが20点とっても、他の日本人で20点ちょっとしか取れない。

本来はそれでもいいのだが、今のディフェンススタッツではそれでは勝てない。

そこにはスリーの多投も原因があると思う。

スリーポイントはロングリバウンド(遠くにはねる)ことが多いため、相手が責めるリングにより近いところでリバウンドを取られる可能性が高い。

負けた試合をみていくとファストブレイク(FB)の得点割合が高い試合が多い。ちなみにこの平均値は10−11%くらいになって、レバンガは平均値くらいだが、負けた試合はすごく高くなっている傾向にある。

理由はいいシュートを打てずに、オフェンスリバウンドを深追いしすぎたことなどが挙げられると思う。

これによって、8−10点の失点、もっと多い失点があると考えると非常にもったいない。

ペイントに侵入して、ディフェンスがゴール下に集まっていれば、ペイント内に多くのディフェンスがいて、その外にオフェンスがいることになるので、ロングリバウンドはオフェンスもチャンスが触れるし、ファストブレイクの始まり(ファストブレイクが決まるパターンというのがある)も低い位置や、スクランブルな状態を作ることができる。

言葉で書くと簡単だが、やるのはめちゃめちゃむずい。

だいぶ話が脱線したが、相手チームはそのペイントへの侵入を限定するために、ハイポスト(フリースローラインあたり)にメイヨに割と簡単に持たせていて、メイヨがそこからシュートを決めることが最近よくある。

レバンガからすれば、よく決めた!!

となるが、相手からすれば、それは決められてもOKなシュートである可能性が高く、むしろメイヨにディフェンスが集まって、外に捌かれて、スリーポイントを撃たれる方が困る。

理由はさっきの期待値。3ポイントの方が期待値が高いから。

よって、いくらメイヨが決めてくれても、それは相手の思うツボだったりして、むしろボールと人の動きを止めてしまうきっかけになっている可能性もありえる。

ただ、今年はそこにタイミングを合わせるのがうまいジャワッドやアタックしながら、パスもちらせて、得点も取れるテイラーもいるので、踏ん張れている。

というところが正直なところかもしれない。

多分、バスケットボールがよくわからない人でも、山口が加入した時に、ゴールへのアタックに、「お、いいぞ!!」となったはずだ。

なぜなら、それがバスケットボールにおいて重要な要素で、レバンガ北海道ほど、それを相手にやられているチームはないから。笑(悲しい)

レバンガブースターの多くの人が、相手にペイントに侵入されて、悲鳴を上げた経験があるだろう。

そう、やられて嫌だったことはバスケットボールの本質なのだ。

だから、やられて嫌だったことはやり返さなくてはいけない!!!!

(日常生活では絶対にダメだよ)

ということで、長くなったので、この辺で今回は終えたい(the中途半端)

色んな課題はあるが、次のステップをどう踏むのか?は非常に興味深いし、まだ可能性がたくさんある。

その点は今までのレバンガよりも(水野さんが体制が終わって以降)可能性を感じる。(ごめん、ネトの時もめちゃめちゃ感じてたわ)

繰り返すようだが、バスケットボールは対人スポーツなので、レバンガももちろん相手に対してどうするかを考えている。

自分がやりたいことだけでやっていけるレベルではないと言うことを理解しておかなくてはいけないことも大切かもしれない。(それも人生と同じ)

しかし、それをしっかり積み上げたチームは自分たちのやり方を追求するステップに入るわけだ。(秋田とか)そして、すでにそれをベースに戦っているチームもある。(東京とか千葉とか宇都宮とか)

それでも、結果は受け止めなくてはいけない。

残念ながら北海道は弱い。だからこそ、面白い。

ここから強くなるのは、自分たちの手にかかっているから。

そんなにワクワクすることはない。(個人的に)

結局仮説は立てずに終わったので、またいつか。笑

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