こんにちは、宮本です。
取材に行ったわけではないので、こちらのブログで書くことにしました
今回は山形ワイヴァンズの川邉亮平選手について、書いていきたいと思います。
シーズン途中からチームに合流した川邉亮平選手ですが、個人的には自由契約リストの中で最高の選手だったと考えています。
山形に加入してすぐの時にEXTRAPASSで取材をさせてもらいました。
よければ、合わせてこちらもご覧ください。
ディフェンスがうまく、ロールプレイヤーとしてもプレーできながら、メインのプレーもできる。インサイドも守れて、ウイングも守れる。
ここまでポリバレントな選手は中々いないと思います。
ただ、何よりも個人的にすごいと感じるのが、怪我をしないことです。
今シーズン、コロナ渦の中で、途中から山形に合流し、ライコビッチはすぐに彼を起用しました。(しかもかなりの時間)
今節も山形はプレータイムが0の選手がいる。コロナという今までにないストレスだったり、調整部分の難しさが怪我に繋がっていると個人的には思っています。
その中で、川邉亮平選手は一定以上のプレータイムを得ながら、怪我をしていません。もちろん小さな怪我や痛みとは多くの選手が向き合い、それを持ちながらプレーをするもので、おそらく川邉亮平選手もそうだと思います。
その中で、1番コンディション調整が難しい立場だっただろう川邉亮平選手が今も怪我をせずに山形の中核としてプレーすることは、もっと評価をされていいのかなと感じています。(全てにおいてもっと評価されていいと思ってる)
川邉亮平見せた試合を繋いだワンプレー
今回振り返りたいのは第22節GAME1の4Q残り6分47秒のワンプレーです。
その前から簡単に振り返ると
82−86で山形がリードする中で、山形がオフェンスをしていました。
左ウイング(45度)でピックプレーが行われ、中島選手がレイアップ。
そのシュートが外れたわけですが、それに合わせて、山形の1人がステイコーナー。
そして、川邉亮平はバックスクリーンをかけて、そのままセーフティー(速攻を防ぐ役割)でした。
ここで中島選手のレイアップが外れ、群馬のマイケル・パーカーがリバウンドを取ったところに注目したい。

このように、群馬のトレイ・ジョーンズ選手がすでに走り出し、逆サイドの田原選手がノーマーク。
この時点で、よーいどんの時にスタートで優位たっているのが、群馬の2選手だということがよくわかります。
完全にファストブレイクを出せれる展開。
この時、川邉亮平選手はセーフティで画面右の見えないところにいます。
これも川邉亮平選手の嗅覚の優れたところで、おそらく、「まずい」と思ったのだと思います。
別に画面右に見えるか見えないかくらいでもいいところを、すでにハーフラインあたりまで戻っています。
その理由としては、前向きに走ってくる選手(群馬)と後ろ向きに走る選手(山形)では、圧倒的に前向きに走ってくる選手の方が有利になるので、先に待っている方が守れる確率が高くなることです。
ましてや、完全にトレイジョーンズ選手と田原選手との1vs2は免れないので、距離をとっておいた方が、駆け引きをする時間が作れます。
実はその辺りにも隠れたナイス判断がありました。
試合を繋いだストップファウル
ここから、予想通りトレイジョーンズ選手にボールが渡り、一気にボールプッシュしていきます。
はっきり言って、トレイジョーンズ選手がファストブレイクでボールプッシュしてきたら…終わった…以上…
と僕らなら思います。笑
もちろん山形の選手も全力で戻ってきてくれるのですが、逆サイドにはさらに群馬の田原選手が走っている。
なんとかトレイジョーンズ選手を止めたとしても、田原選手にアシストしてレイアップで完結…そんなイメージが湧くシーンです。
この場面で、最悪な想定はどんな状況でしょうか?
そんなことを考えたことがあるでしょうか?
ちょっとリストアップしてみます。
- ファウルもしてシュートも決められて3点プレー
- ファウルで止めにいき、無理なファウルをして、アンスポ
- 何も出来ずにドカンとダンク
- トレイジョーンズから鮮やかなアシストで田原選手がレイアップ
などなどいろいろあると思います。
この時点で山形がリードしていましたが、どの展開も一気に群馬ペースに持っていかれる可能性を秘めていました。
この試合はここで勝敗が決した可能性があります。
正確に言えば、ここから一気に群馬ペースになったということです。
でも、そうはならなかった。それはセーフティーにいた川邉亮平選手の好プレーが影響しています。
ここで川邉亮平選手が取った選択はチャージング狙いで、最悪ブロッキングをするという選択でした。
これ以上ない選択だと思いますし、それをできるスキルと判断力に脱帽しました。
結果的にブロッキングファウルになりましたが、その後は群馬のインバンズプレーから始まり、山形は守るチャンスを得られたわけです。
実際はその後、ファウルでフリースローを与えてしまいましたが、この判断と選択がなければ、ここで試合が決まっていた可能性がありました。
さらに言えば、そのファウルをしたポジションがスリーポイントに入るか入らないところだったこと。

ルール上、シュートステップを踏んでいるとフリースローになるため、川邉亮平選手は絶対にフリースローにならない場所で、トレイジョーンズ選手と勝負をする環境を絶妙なポジショニングで作り出しました。
もっと言えば、ナナー選手がスプリントバックしてゴールに向かって走りながら、逆サイドの田原選手のケアもしていたので、ミドルライン側に行かせることによって、もしも自分が止めれなくても、最悪ナナー選手が止めるという想定もあったはずです。
そして、もしもこのシーンがオフェンスファウルになっていたら…この試合の結果は違ったかもしれません。いや、違ったと思います。
そして、この試合が最後まで、シーソーゲームになったのも、このシーンで最高の選択とプレイをした川邉亮平選手の存在があったことは大きかったと思います。(究極はオフェンスファウルだが、それはもう120点)
たった3秒くらいの時間の中で、それを判断し、遂行した川邉亮平選手。
ライコビッチもそういうところに信頼をおいていると思いますし、往復が激しいバスケットボールは、「実はあの時…」というシーンが非常にたくさん詰まっています。
そういう意味で、川邉亮平選手のような存在はチームに大きなプラスでしかありません。山形、ライコビッチはそういう選手をしっかりと評価できているクラブなのかな?と感じます。
山形の勝率はギリギリ5割届かないくらいですが、強豪ひしめく東地区の中で、驚きの存在であることは間違いないかなと思います。
そんなところにもぜひ目を向けて見えると、よりバスケットボールが楽しくなるかもしれませんし、まだそこまで気づけてなかったな!という方は、ぜひ川邉亮平選手のそんなプレーに拍手を送って欲しいと思います。
ちなみにこの試合13点取ってるのもすごい笑