秋田ノーザンハピネッツ〜激しく、美しく〜




目次


  • プレシーズンに思うこと
  • 継続による秋田の進化
  • 秋田にとって最重要人物
  • 繋ぎのスムーズさ
  • 激しく、美しく

こんにちは、宮本です。

日常にバスケットボールが戻ってきました。

3月のリーグ中止から約半年
時代に合わせる形ではありますが、バスケットボールが始まったことは大きな喜びです。

今までのように声を上げて応援することはできませんが…
(そもそも宮本は声をあげることはほぼないが…)

これを気に今年1年はじっくりと自身の応援するチームのバスケットボールに向き合ってみたり、何か新しい視点でバスケットボールを観戦するのもいいのかもしれない。

個人的にはそう感じています。

ほぼ更新が止まっていましたが…(書くことがなかった笑)

プレシーズンが始まり、久々に感じたことが、だだだっと流れてきています。
そんなことを少しまとめて行きたいと思います。


プレシーズンに思うこと


まず、プレシーズンは個人的に勝敗はあまり関係ないと考えています。
そもそもお客さんを入れてのゲームは半年ぶり

個人としては、その感触やゲーム感を取り戻すこと。
チームとしては、今年1年でやっていくことの確認などをしていく場だと

僕は考えています。

当たり前ですが、怪我をしないこともすごく大切です。

各チーム、数試合のゲームを行う中で、大事なことは今シーズンどんなバスケットボールを目指していくのか。
をしっかりと体現していき、ファンもそのバスケットボールをしっかりと感じ取ることが大切だと思います。

今年は応援がないアリーナになるので、ある意味、プレシーズンでのクラブとファンのバスケのすり合わせのようなものは、これから続くリーグ戦に向けて大切なコミュニケーションになるとも感じています。



継続による秋田の進化


そんな中、注目したのが秋田ノーザンハピネッツです。
秋田は9/5にアウェイで新潟と対戦をし、完勝しました。

先日、YouTubeの「BASKETBALL DINER」にて
秋田ノーザンハピネッツを分析しました。

その分析よりも秋田はすでに上のレベルに達していたことに驚きました。
その理由が僕の中で何点かあります。

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今シーズン、Bリーグには大きく分けて、2つのグループに分けられると考えています。

選手やコーチを残すことに成功し、継続するチーム
選手を大きく入れ替えて、新しいカルチャーを作るチーム

この試合でいえば、秋田は継続するチームであり、新潟は新しいカルチャーを作るチームと言えると思います。

その中で、継続によるアドバンテージがプレシーズンではすごく見えてきます。

ここが今シーズンの鍵になる気がしています。

継続するチームはおそらくバスケットボールをしっかりとアップデートさせていきます。
秋田もそれを感じるバスケットボールでしたし、その予想をしていました。

スタメンは(もちろんプレだからということもある)若手の長谷川、大浦、多田を起用し、そこに中山とコールビーの5人。

これには驚きましたが、秋田を感じながら、秋田の新しい可能性を感じるバスケットボールが展開されました。

おそらくこのスタメンには、若手に対する信頼と期待。そして、コミュニケーションを円滑に取れるメンバーで、秋田のバスケの浸透とそれぞれの個性を存分に発揮させて、ゲームに馴染ませていく意図があったと思います。

実際にルーキーの大浦はゴールにアタックを、そしてもう1人のルーキーの多田は、今まで秋田には少なかった3Pを積極的に放っていました。

それをつなぐ役割をしたのが、2年目の長谷川であり、今シーズンキャプテンに就任した中山なのだと思います。

クラブとしても若手を使っていくことと、彼らが秋田のカルチャーの中で新しい色を付け加えていくことをファンに向けて伝えたかったのかもしれません。

そういう意味でも秋田は非常にいいシーズンの入り方をしたように感じました。



秋田にとって最重要人物


そんな久しぶりなゲームの中で、私は2つの発見をしました。
その1つが、秋田のフィジカルコンディショニングの良さです。

何より、多くの選手の姿勢や呼吸の間合いがいい。

この選手、こんなにシュートタッチが柔らかかっただろうか。
と感じる場面が多々ありました。

古川や保岡に関しては、飛んだ瞬間に、「あ、入ったな」という感触がありました。
安定しつつ、どことなく柔らかい。

序盤に3Pを決めた長谷川にしても、昨シーズンはもう少し力みがあったように感じます。
オフェンスではシュートのブレが大きかったり、ディフェンスでは激しいけれど、コンタクトをするとどこか大きくぶれるという印象です。

そして、私は古川がテイクチャージを狙って新潟の星野と接触したシーンで確信に変わり、自分のチェックの甘さを感じ、秋田のホームページを開き、スタッフ欄を開きました。

そして、ここでスクロールをやめました。

田原慎太郎

秋田のストレングスコンディショニングコーチです。



近年、ストレングスコンディショニングコーチが注目され始めています。
簡単に言えば、よりその競技に合わせて必要な能力を向上させることが仕事です。
昨シーズンその部分で飛躍したのは渋谷と滋賀だと思います。

経歴などを見て、昨シーズンからこんな重要人物がいたのか…と自分のチェックの甘さを痛感しました。

秋田は激しいディフェンスが特徴のチームですが、それをするためにはコンタクトに負けないフィジカル、怪我をしない身体が大切です。

ただ、身体を大きくそればいいわけではなく、クイックに動くことも求められます。
そういう意味で、悪い言い方をすれば、昨シーズンまでは「激しさ」でなんとかしようとする部分がありました。

しかし、今日の試合はそこに「キレ」「柔らかさ」があったのです。

それはなぜか…間違いなくこの田原慎太郎ストレングスコンディショニングコーチの力による部分が大きいでしょう。

コロナによって、シーズンが中断し、チームでの活動も制限される中で、おそらく秋田は、個々人が自分の身体と向き合う時間を多くとったのだと思います。

秋田は「激しいディフェンス」というスタイルがありながら、そこに身体が追いついてないような印象もありました。
大事なところでのターンオーバーなども多かったように思います。

おそらく田原コーチは2019年の就任1年目に選手それぞれの長所と短所、チームのバスケットボールを体現するために必要な部分をしっかりと掴み、この半年間でそこを積み上げた結果が今回のゲームで発揮されたのだと思います。

明らかに選手のコンディションがよく、動きが美しい。
よって激しいディフェンスもより激しさを増しているのに、どこか柔らかさを感じる。

秋田の進化が見えたゲームでした。


繋ぎのスムーズさ


そして、継続とフィジカルの2つはさらにチームにいい循環を生んでいました。

それが、オフェンスとディフェンスの繋ぎのスムーズさです。

継続することで、メンバーも頭も身体もしっかりと秋田のバスケットボールの大切な部分を抑えている。コミュニケーションもしっかりととれ、メンバー間での修正も測れる。

そして、フィジカルコンディショニングの良さによって、攻撃から守備、守備から攻撃の転換、俗にいうトランジションがスムーズでした。
トランジションはバスケットボールにおいて非常に重要な局面です。

普通に考えれば、自分たちのやるべきこと、役割をしっかりと共有できていて、フィジカルコンディションが充実していれば、当たり前のことです。

しつこいようですが、昨シーズンまではそれが「激しい」

もっと簡単な言葉で言えば、頑張っているという印象は伝わっていました。

しかし、こんなにスムーズさはなかった。

どう見えるか?というと、トップスピードで走っているわけではないのに、印象として速く見える。などが挙げられます。

リバウンドからボールプッシュまでの繋ぎ
シュートが入ってからピックアップ(マークマンをとらえる)までの繋ぎ

が非常にスムーズでした。

今まではどこかそのへんでターンオーバーやピックアップが遅れて、早々に出し抜かれてしまったりなどがありました。

雑感になりますが、明らかに秋田の繋ぎはその2点によって、進化していたのです。



激しく、美しく


チーム内部の人間ではないので、核心的なところは分かりませんが、明らかに秋田は

「継続」と「フィジカルコンディショニング」

によって、進化を遂げていました。

そのバスケットボールは今までの秋田らしい「激しさ」に加えて、「美しさ」が加わったと表現できると思います。

現在NBAもプレーオフが行われていますが、NBAにはこの「美しさ」があります。
その辺りが、まだまだ日本のバスケットボールには足りない部分でした。

しかし、秋田は「激しさ」

違う言葉で言えば、「ハードワーク」という文化があり、ペップ体制からの継続によって、その成熟があり、ストレングスコンディショニングコーチにより、それを進化されるフィジカルを手に入れることで、その1歩先のバスケットボールに足を踏み込んだように思います。

これは口で言うのは簡単ですが、スタッフ間での意見共有、目指すバスケットボールからの逆算、計画。

そして、選手達がそれをしっかりと理解し、トレーニングに対する意識の高さや向上心など。

当たり前のことですが、突き詰めることができないと体現することはできないと思います。

多くのチームがそれを体現することができずに、チームに新しいカルチャーを作ろうしてしまい、迷走が始まることもよくあります。

秋田にはペップ体制から続く継続で作られたベースに、昨シーズン、今シーズンと前田HCが着実に進化を上乗せしています。

今シーズン、秋田はリーグにおいて非常に重要なチームになるかもしれません。

ガードが多いなどのネガディブな声も聞こえてきますが、フィジカルの成長があれば、おそらく日本バスケにおいて、身長が低いことはさほどのデメリットにはならないと私は思います。

今シーズンの秋田ノーザンハピネッツは「激しく」「美しく」

是非とも今シーズンの秋田に、また選手やHCだけでなく、そんなクラブの成長には欠かせない裏方で支えるスタッフの力にも注目していきたいと思います、

 





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