目次
- シンプルイズベスト
- 間をおく
- ボールプレッシャーとミスマッチ
こんにちは、宮本です。
普段はBリーグ、その中でもレバンガ北海道を中心に書いていることが多いこのサイトですが、
やはり正直、ハイレベルな試合を見ると、その試合からさを感じることがあります。
特に今回の天皇杯はタイトルをかけた試合
そして、今シーズンのBリーグは上位と下位で目指すものに違いがあることも事実
タイトルをかけた上位同士の戦いというものを昨シーズンのチャンピオンシップがなかったことで、1年ぶりに見たように思います。
今回は「天皇杯決勝から考える日本バスケの現在地」という少し上から目線っぽいタイトルですが、決してそんなことは全くなく、率直に感じた普段見ているレバンガ北海道との差を考えていきたいと思います。
また、今回から「87note」ということで、有料で僕がどんなところを見た上で、このサイトを更新しているのか?などを含めて、
・その攻防や駆け引き
・バスケの本質的なところ
・ここまで学んできたコーチング、戦術、戦略
・取材などで載せきれない部分
などをまとめてつつ、バスケを学びながら、より楽しく(なるかはわからない笑)なるようなマガジンを作っていこうと思います。
とりあえず、しばらくはお試しで100円で販売させてもらいます。
売り上げは今後の活動をよりアップデートさせていくために使わせてもらいたいと思います。
今回は「天皇杯決勝、1Qの攻防で見るバスケの本質」です。
noteはこちらから↓↓↓
https://note.com/masahiro_d28/n/n18effa62e173
もちろん、今後も87ラボ自体は質をより上げて更新していくつもりです。
プラスαとして、noteを使っていきたいと思いますので、そちらも合わせてどうぞ。
目次
シンプルイズベスト
バスケットボールに限らず、スポーツもそうだし、他のもの事もそうだと思いますが、クオリティが上がれば、上がるほど、物事はシンプルになっていくと思う。
バスケットボールで言えば、かっこいいもの以上に、パス1つとってもより早く、適切なタイミングで、適切な場所に届けるパスが増える。
その中で起こるかっこいいパスは、たとえば、背中を通すビハインドパスは、背中を通せばパスコースができる、またはディフェンスを欺いて、ノーマークを作り出すことができる。
そのパスをする必要性があったから行われていることがほとんどだと思う。
僕もかっこいいパスが好きなので笑
文章にしてしまうと、どこかロマンがなくなってしまうが、実際そうで、
これはTsファクトリーの廣畑コーチが言っていて、すごく印象的だった言葉だが、
「プロフェッショナルはやりたいか?やりたくないか?ではなく、必要か?必要じゃないか?で判断する。」
まさにそういうことで、ビハインドパスなどのかっこいいパスを出したいから出すのではなく、
そのパスが必要だから出す。
そして、必ず必要になるからこそ、育成年代からトライをして、その必要な場面を学ぶ必要があるというわけだ。
たとえば、バスケットボールであれば、限られたコートで、10人が攻防を繰り広げる。
よって、いい攻撃をするためには、いいスペーシングが必要。
シンプルに攻撃が完結すること
(この2チームの場合は、たとえば、川崎ならピックからファジーカスが簡単に加点であったり、宇都宮であれば、ピックからキックアウト→エクストラパスでコーナースリーで加点であったり)
=いいスペーシングを作れていることが多い。
そして、それに対して必要なスキルが瞬時に出てくる。
それはもはや反応ではなく、反射的な部分で、それだけそのスキルやシチュエーションでのトレーニングを積んでいるといっていいのだと思う。
逆に、例に出すのも申し訳ないが、サイト上、レバンガ北海道はどうか?というと、改めて見返すと、やはりガチャガチャしている。
適切な例かはわからないが、川崎や宇都宮は職場のデスクがしっかりと整理整頓された状態で、上司から必要な書類を頼まれた時には、瞬時にそれが出てくる。
しかし、レバンガ北海道などのいわゆる下位クラブは、デスクがグチャグチャで、言われた時に、
どこだ?どこにしまった?
となってしまうのが現状で、それがミス(ターンオーバー)につながる原因となる。
この試合はそういう意味でも色んな部分で締まりのあるゲームだったのは、双方がバスケットボールの本質を理解しつつ、必要なスキルや判断が瞬時に出てくるし、相手のアジャストに対しても、適応する準備をしていたことにある。
そういうゲームはすごくシンプルかつ淀みがない。
日本のトップレベルが今、そういう領域に入ってきていることは理解したいポイントだし、けれど、その先には間違いなく世界との差もまだあることを理解するのにベストゲームだったと感じた。
間をおく
その中で、めちゃめちゃスピードが早かったか?
と言われるとそうでもない。
あえて言葉にすれば
「全速力ではないけど、淀みがない。」
と表現したい。
これはヨーロッパやNBAなどを見ているとよく感じる。
もちろん終盤などになれば話は変わるし、だからといってインテンシティが低いわけでもない。
あくまでボールゲームなので、ボールを中心としてのスピード感がどちらのチームもすごく適切な時間帯が多かったように思う。
その中で、ディフェンスも仕掛けることが難しくなるわけだけども、その時にお互いのチームが、チームとしても個人としてもうまかったのが、
「間をおく」ことだったと思う。
ゲームの中での緩急の使い方とでもいうのだろうか?
決して最速でプレーしているわけではない。
けれど、適切な速さでプレーしている。
だからディフェンスを剥がせるし、いいショットもまで作り出せる。
個人的には特にファジーカスが上手いと思っているが、外に開いてボールをもらうと、彼にはスリーポイントもあるので、ディフェンスは激しく間合いを詰めてくる。
その時に、絶妙な間を置いて、相手が身がまえたらスリーポイント、少し身体が反応し、浮いたらアタックをする。
決して速い選手ではないけれど、止めるのが容易ではないのが、この辺りの駆け引きであり、
間をおくスキルだと思う。
そのあたりは近年の比江島選手などもより上手くなっていると感じる。
勝敗は一旦置いておいて、その辺を切り取ってみてみるのも面白いかもしれない。
ボールプレッシャーとミスマッチ
最後に、ボールプレッシャーとミスマッチだ。
ここはnoteの方でも、少し触れている。
結論バスケットボールは、最後に1点でも多く得点をしたチームが勝利なので、相手よりも強いところがあれば、そこを攻めていくことが定石である。
そこには最先端も時代遅れもなく、それで勝てるならそれが正解だし、わざわざそれを使わずに最先端と言われる?戦術で敗戦しても、プロスポーツは結果が全てなので、価値がなくなってしまうと思う。
その中で、やはりこの2チームはシンプルで…
まず、スイッチディフェンスを多用していた。
そこに至るまでにディフェンスのつき方であったり、フィジカルであったり、その後の導く方向、ヘルプの考え方、スタッツなどもあると思うが、そこは一旦置いておいて…
ディフェンスのスイッチが多かったので、ミスマッチになった瞬間にそれをしっかりと見つけ、そこを使うという選択のスピードが非常に早かったように思う。
たとえば、ピックプレーでスイッチが起こって、ガードがビッグマンについた瞬間に、ビッグマンはポストアップ、ボールを持っているガードはすぐにストレッチして、ポストにボールを供給させるためのアクションをとっていた。
しかし、ここでさらにすごかったのが、そこに対する(そこ以外も含めての)ボールプレッシャーだったと思う。
どちらのチームもビッグマンが外に引っ張り出されても、そのビッグマンがしっかりとボールにプレッシャーをかけ、パスコースを切っていた。
また、逆サイドの自分よりも大きな選手とさらにスイッチをしたりすることもある。
その辺の判断も非常に淀みなく、スムーズに行われることが多かった。
どちらも、非常に複雑で、コミュニケーションが必要なバスケットボールをしている。
けれど、それをバスケットボールの本質をしっかりと掴み、それをシンプルに行うレベルの高さがこの試合には存在していたと思う。
今後、リーグ戦、そしてチャンピオンシップになれば、この試合がスタンダードと言えるような試合が展開されるのだと思う。
そして、来シーズンになれば、それができないチームは勝利が難しいということも予想ができる。
そう考えると、この試合から何を感じ、何を学ぶのか?
ということが非常に需要なゲームだったと個人的に感じた。
今回はnoteはこちら
「天皇杯決勝、1Qの攻防で見るバスケの本質」
noteはこちらから↓↓↓
https://note.com/masahiro_d28/n/n18effa62e173