若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.9

現在地とこれから
日本人、スラムダンク奨学生の直接対決

2019年7月から連載を始めた
「若手プレイヤーの奮闘と挑戦」
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.1
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.2
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若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.7
若手プレイヤーの奮闘と挑戦 No.8

猪狩渉、秋田ノーザンハピネッツの長谷川暢、酒井逹晶、鍵冨太雅、中山大輔

2019年6月某日に行われたワークアウトに集まった
若手プロ選手やアメリカの大学で戦う選手達

彼らを追いかけている。

現在地とこれから

セントジョセフカレッジに所属する酒井逹晶とボウディンカレッジに所属する鍵冨太雅。
2選手とも開幕からスタメンとして出場し、チームの主力選手として活躍をしている。

酒井逹晶は途中、怪我により試合から離れる時間もあったが、2選手ともバスケットボールの本場であるアメリカの大学で、主力選手として活躍する凄さを日々感じている。
（勉強との両立も非常に大変なようだ。）

以下はここまでの2選手のスタッツになる。(1/13現在）

酒井達晶（セントジョセフカレッジ）

鍵冨太雅（ボウディンカレッジ）

セントジョセフカレッジの酒井逹晶は2019年をこう振り返る。

「怪我で試合に欠場する試合が多くてリハビリ期間が多かったです。復帰してからはシュートタッチは良いんですが、ミスを減らしていきたい。チームとしてもミスを減らせれればもっと良くなると思います。」

また、2020年に向けての抱負として

「積極的にシュートを狙って、ミスを減らしてチームをカンファレンス優勝に導きたい。」

と意気込みを教えてくれた。
彼の中でやるべきこと、勝利に必要なことはある程度見えているように感じる。

2019年東京都内で行われた若手プレイヤーのワークアウトでの酒井逹晶の映像（約1分半）

直近の試合ではディフェンスリバウンドの数字が伸びているのが印象的である。
また本人の「シュートタッチが良い」という言葉通り、怪我から復帰した直近3試合は全てスタメンで、3ポイントの確率が58.3%とかなり高確率な数字を叩き出している。

今後、酒井逹晶がどのようにチームを勝利に導いていくのかは非常に注目したいポイントだ。

ボウディンカレッジの鍵冨太雅は2019年の振り返りをチームの視点と個人の視点で教えてくれた。

「チームの評価は40／100点です。4勝6敗という状況でチームの雰囲気もなかなか苦しい状況ですが、リーグ戦が始まるまでに気持ちを入れ替えて頑張りたいです。
自分の評価は65/100です。もっと積極的にリングにアタック出来ると得点も伸びチームにももっと貢献出来るかと思います。」

2019年東京都内で行われた若手プレイヤーのワークアウトでの鍵冨太雅の映像（約1分半）

出場した11試合で9試合にスタメンとしてコートに立ち、平均で30分弱のプレータイムを得ている。
2桁得点をしたゲームも4試合（全て10得点）あるが、彼の言葉からもわかるように、自分自身のパフォーマンスには満足いく内容ではなく、そしてチームを勝利に導くことができてないもどかしさを感じているのが正直なところのように思う。

昨シーズンも主力として起用されながら、腰に不安を抱え、満足いくパフォーマンスができなかったことを悔やんでいた。ここからのさらなる活躍に期待したい。

日本人、スラムダンク奨学生の直接対決

そんな中、日本人の私たちにとって注目するべきゲームがやってくる。
現地時間の1月13日19時（日本時間1月14日9時）に鍵冨太雅が所属するボウディンカレッジにて

セントジョセフカレッジvsボウディンカレッジ

の試合が行われる。

アメリカの地で日本人対決、しかもスラムダンク奨学生同士の対決である。

これは日頃、アメリカの大学バスケを見ることが少ない私たち日本のバスケファンにとっても注目カードになることは間違いない。

セントジョセフカレッジの酒井逹晶は
「日本人直接対決は、去年負けているので、勝ち切りたい。」

とシンプルにこの試合にかける意気込みを言葉にした。
怪我から復帰後の活躍も含め、この試合が1つのモチベーションになっていることは間違いない。

一方、ボウディンカレッジの鍵冨太雅は
「（日本人対決は）とても楽しみです。前回はうちが勝ちましたが、自分は全く良いところなしだったので、今回はしっかり自分の良いところも出しつつチームとして勝ちたいです。」

言葉の通り、彼もこの試合に対するモチベーションは高いと感じる。ここをきっかけに鍵冨太雅の良さを出し切り、個人としてもチームとしても調子を上げていって欲しいと感じる。

私としては、どちらを応援するか…を決めることはできないので、どちらも全力で応援する。

そして、直接伝えることはできないが、SNSなどを通じて是非とも多くの方に彼らを応援していることを伝えて欲しいと願っている。

それが海外で挑戦をする彼らのモチベーションにもなると感じている。

酒井逹晶はスラムダンク奨学金の9期生として、鍵冨太雅は10期生として高校卒業後にアメリカに渡った。
今回、その先輩にあたる8期生の猪狩渉は後輩達に向けてこう話してくれた。

「アメリカで、大好きなバスケットに打ち込めるその一瞬一瞬を楽しんでほしい。
それが今はまだ見えない次のステージへと必ず繋がっているから。
彼らの同級生達がBリーグで先にプロになり活躍していく姿に時には不安になったり、悔しかったりするだろうけど、2人の選択は間違いではない。」

2019年東京都内で行われたワークアウトでの猪狩渉