メダルへの挑戦 女子OQT vs スウェーデン





目次


  • 前半、スウェーデンの準備
  • 後半、日本の流れ

こんにちは、宮本です。

久々の更新になりました。
個人的にも楽しみにしていた注目の女子日本代表OQTが始まりました。
日本の初戦はスウェーデン。

ダブドリvol.8でインタビュアーを担当させていただいた富士通レッドウェーブの町田瑠唯選手もメンバー入りしています。

今回は簡単にそのゲームを振り返ってみたいと思います。




前半、スウェーデンの準備


前半に感じたのは、スウェーデンの圧倒的な準備でした。

まずスウェーデンのオフェンスでは一貫して、日本のファストブレイクでの反撃を最小化するためにオフェンスが構築されていました。

PnRからのペイントアタック、ジャンパー、もしくはポストアップでのショットを多用し、リバウンドの人数を最小化することで日本の効果的なファストブレイクを出させないようにオフェンスを構築。

また世界レベルでは当たり前ですが、日本は4番ポジションなどでミスマッチが起こりやすいので、その辺りをしっかりと攻められました。

その中で、個人的にすごいなと感じたのは

吉田と大崎の2選手を決していい流れではない(むしろ悪い流れ)中で早々に起用したことです。

ここには彼女たちの力はもちろんありますが、この雰囲気に早めになれさせようというトム・ホーバスの狙いがあったのではないかと個人的に感じています。

もちろん日本は東京オリンピックの出場が決まっている状態ではありますが、前哨戦として、悪い印象を持ちたくないこの大会の初戦の早い段階で彼女たちを試合に絡ませるトムの勇気とこの試合を勝つことは当たり前の中で、その先を見据える考えには「すごい」という言葉しか出ません。

トム・ホーバスが本気でメダルを取るために、彼女たちの力を必要としている証拠かもしれません。




スウェーデンはディフェンスでも、日本のPnRのところ、ハンドオフに対する抜け方なども徹底していました。

ただ、女子代表がすごいのは、それをされても引くことなく、自分たちのスタイルを貫く力です。
序盤はセットオフェンスを使う中で、ハードに守るスウェーデンと戦い、ペイントに仕掛ける。

ミスは多くなりましたが、その後、少し無理があっても3Pが打てるところは思い切り打つことで、2Q終盤からスウェーデンのディフェンスは少し、後手を踏むようになりました。
ファウルの関係性もあると思いますし、各々の責任の所在が難しくなってきた部分もあると思います。

日本は少なからず前半は劣勢な時間が多かったです。
それはスウェーデンの準備による部分が大きかったと思いますが、それをしっかりと耐え、前半の最後には自分たちの流れに寄せて、有利な状態でハーフタイムを迎える。

これは今の女子日本代表の強さの秘密であり、それをできるのは誰が出ても質が落ちないディフェンスとリバウンドの質の高さとスタイルを徹底し、シュートが入る入らない以上にやるべきことを遂行できる心の強さとチームの共通意識なのだろうと改めて感じる前半でした。




後半、日本の流れ


案の定、後半入りから本橋タイムが始まりました。
アジアカップでも何度このシチュエーションを見てきたことか。と感じる心強さです。

ここで感じるのはやはり、ゲームメイクにおけるペイントアタックの大切さです。

本橋は前半序盤うまくいかなくても、ペイントを意識させる展開を作っていました。
その後はスリーポイントを混ぜていく。

こうなると本橋を止めるのは難しくなります。

また、その間に吉田、町田とタイプの違うPGを挟むことも日本の強さの1つであると思います。
(例えば吉田の時はボールリズムがよくなり、ペイントへのパス供給が増える。町田の時はボールプッシュのスピード感が上がります。)

個性の違うPGがそれぞれの役割をこなすことで本橋はより本橋としての力を発揮できるのだと僕は思います。
もちろんここまで毎回その期待に応える本橋もすごい。

しっかりと40分トータルで試合を作ることができるこのチームは、リオオリンピックの時よりも安心感を感じます。

どこかで…そのうちスリーも入るでしょ?ブレイク出るでしょ?

と感じさせる。

これは様々な要因があると思いますが、この4年間での日本代表の進化であり、日本という国のバスケットボールのお手本になるスタイルなのではないかと思います。




また、このゲームはトム・ホーバスの気遣いも本当に素晴らしいゲームだったと思います、

本橋が爆発してから、3Q終盤少し流れがスウェーデンペースになると吉田を投入。
同時に前半と同じように大崎も投入します。

これは間違いなく大崎の試合の入り方、やりやすさを考えてのことでしょう。

チームとして、コートで力を発揮するのは選手たちですが、それを気持ちよく乗せて行くのはHCの仕事です。

スタイル、マネジメント全ての部分で、これほど日本が参考にするべき日本のチームが日本代表として存在することを僕らはバスケ界はもっと注目するべきかもしれません。

メダルへの挑戦が始まります。

本当にこのチームにはそれができるだけの可能性を持っていると感じるには十分な初戦だったように思うし、続くベルギー、カナダとの試合でもう一段ギアを上げ、より一層感じられる試合をしてほしいと期待しています。


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