挑戦〜人と同じ道を歩かない男〜





目次


  • スペインに挑戦する木下勲
  • スペインのバスケットボール
  • 今回のクリニックについて
  • スペーシングの重要性
  • 日本人が海外で戦っていくために

今回、7/30に東京都内で行われたスペインリーグ2部のTAUカステリョのバスケットボールクリニックに参加する機会に恵まれた。

皆さんはスペインやヨーロッパのバスケットボールをどのくらいご存知だろうか?

スペインは世界ランキング2位(8月20日現在)の強豪国で、国内リーグのレベルも非常に高いことで有名だ。世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAにも多くの選手を輩出している。

今回、このクリニックを日本に連れてきたのが、TAUカステリョで活躍する日本人プレイヤーの木下勲だ。




近年、日本の男子バスケはBリーグの誕生、NBA選手の登場により人気、実力共に成長が著しい。
しかし、世界での立ち位置を考えれば、日本は8/31から中国で行われるW杯参加国で、世界ランキングは最下位から2番目(48位、8月20日現在)に位置し、まだまだ発展途上である。

日本国内でバスケが盛り上がるにつれて、
私たちはどれだけバスケットボールについて理解が深まっているのだろうか。
また、海外のバスケットボールを知っているのだろうか。
海外のバスケから学びや刺激を得る必要性はないのだろうか。
そう感じることが増えてきた。

そう感じた私自身も木下勲という選手を知るまでは、アメリカばかりに目を向けていて、スペインのバスケットボールに目を向けることは正直少なかった。

今回、木下勲から話を聞いたり、クリニックに参加させていただく中で、新しい発見や視点が多くあり、もっとスペインを含めたヨーロッパのバスケットボールに注目するべきだ!
そう感じてこれを書いている。

木下勲は今の日本バスケットボール界で本当に特別存在だと感じる。

まさに「人と同じ道を歩かない男」

さまざなことを経験してきた彼だからこそ、伝えれれることがある。
そんな彼の半生やスペインでの活躍、活動を追いかけながら、日本バスケットボールのレベルアップのヒントを見つけていきたい。


スペインに挑戦する木下勲


まだバスケットボール界では少ない海外組、その中でもさらに数少ないヨーロッパで戦う選手がいる。
現状唯一スペインのプロリーグで活躍する日本人プロバスケットボール選手である、木下勲だ。


以下、ここまでの経歴になる。

関西学院高等部で1年次よりインターハイ出場、2年次にはウィンターカップにも出場。
2013年:関西学院大学に進学と同時に和歌山トライアンズと契約、日本男子バスケトップリーグ初の現役大学生選手。
2014年:単身渡米。アメリカ独立プロリーグABA バーミンガムブリッツでプレー。(2014-2015シーズン)
2015年:European Summer League June 2015 参戦
2015年:アメリカ Drew league 参戦(citi team blazers)
2015年:スペインリーグ CBアル・バンドレイにてプレー。(2015-2016シーズン)
2016年:スペインリーグCB サンフェリウエンスにてプレー。(2016-2017シーズン)
2017年:Bリーグ3部 東京サンレーヴスと契約(2017-2018シーズン契約 背番号55)その後、スペインリーグCB ベルカニロにてプレー。(2017-2018シーズン)
2018年:スペインリーグ TAUカステリョとにてプレー。(2018-2019シーズン)
2019年:スペインリーグ TAUカステリョとにてプレー。(2019-2020シーズン)

正直、高校年代、大学年代で日本のトップレベルを歩んできているわけではない。しかし常に挑戦することを選び、大学生ながら日本のトップリーグでプレーするチャンスを勝ち取ったり、単身でアメリカにも挑戦し、現在はスペインリーグ2部で活躍している事実こそが、今後日本バスケットボールのさらなるレベルアップのヒントになるのではないか?
私は今、そう強く感じている。




スペインのバスケットボール


今回、木下勲はオフシーズンを使い、所属チームであるTAUカステリョのコーチ陣を連れて、日本でバスケットボールクリニックを複数展開した。

正直、日本にいながら、スペインのバスケットボールの考えやトレーニングに触れることができることは、願っても無いチャンスだった。

私が参加した7/30のアースフレンズ東京Z開催のクリニック以外にも全国各地で育成年代からトップクラブまで多くのクリニックが開催された。

スペインは先ほども書いた通り世界ランキング2位の強豪国。

ヨーロッパのクラブ王者を決めるユーロリーグにもレアル・マドリードをはじめとした1部のクラブが活躍している。

2006年に日本で行われた世界選手権(現W杯)で優勝したことも、当時からのバスケファンの記憶に刻まれているのではないだろうか。
Bリーグでも解説者から「スペインピックアンドロール」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
スペインピックアンドロールは当時スペインが世界に先駆けて行ったハイレベルなスクリーンプレーである。
スペインは間違いなく、当時アメリカ一強と言われていたバスケットボールの戦力図を動かした、ヨーロッパ勢の一国として、新しい時代を作り出した存在と言える国なのだ。

また、スペインはサッカーに次いでバスケットボールが人気で、1部だけでなく、2部も各国に代表選手なども存在する。

近年、Bリーグにもスペイン人のHCや選手が増えてきたことはある意味必然であり、彼らを見るだけでも、スペインという国のバスケットボールのレベルの高さを感じることができる。




今回のクリニックについて


今回のクリニックはTAUカステリョのHCであるアントニオ・テンが実際に指導をし、木下勲が通訳、サポートコーチを行った。

7/30に行われたクリニックはミニバス世代の参加者が主で、アントニオ・テンの指導や言葉には多くの学びがあった。

個人的に、ここ数年NBAのコーチや海外のHCのクリニック、勉強会にいくつか参加させてもらい、それらと今回のアントニオ・テンのクリニックに共通点を感じることもできたことはバスケットボールを観る、考えることに大きな意味を感じている。

今回私が感じたことは、非常に当たり前のことだが、5vs5に繋がるトレーニングをすることだ。

日本は昨今、個人スキルに特化するトレーニングやスクールが増えている傾向にある。
それ自体はすごく良いことだが、その全てが5vs5の中で使えるスキルを伝えているのか?疑問に感じることがよくある。

その中で、今回のアントニオ・テン含め、海外のHC陣のクリニックには常に5vs5の意識や状況を考えられたもの、かつそのトレーニングの繋がりを感じる。

これは日本のトップコーチもしっかりとその繋がりを考えて指導をしているが、育成レベルを指導する環境ではどうだろうか。
その年代に関わる指導者こそ、理解を深めなくてはいけない大切な要素に感じている。

自国のアイデンティティを理解し、スタイルを理解し、その中でその年代で必ず覚えておきたいファンダメンタル、5vs5に繋がるスキルや判断、考え方をアントニオ・テンは細かく伝えてくれていた。

またミスが起こるたびに、毎回練習を止めて説明を繰り返し、様々なアプローチで選手に伝える姿や、選手がいいチャレンジをした時にすかさず声をかける姿も印象的だった。


スペーシングの重要性


特に今回のクリニックで伝えられたことがスペーシングの重要性だと感じた。
以前参加した講義でもスペインはU10やU12のトレーニング(ミニバス年代)でスペーシングの重要性をしっかりと伝えると聞いたことがある。

アントニオ・テンも今回、細かくスペーシングの重要性、その中に必要な個人スキルを組み込んでいた。
またそれぞれのスポットでの動き方なども、数十センチ単位で選手たちに繰り返し伝え、そこでのボールの受け方やパスの出し方なども伝えていた。
おそらくそれらはスペインのバスケットボールで考えれば、当たり前のことなのだと思う。

「なぜ、それが必要か」「どうしてそうするべきなのか」を一貫して伝えている印象があり、評価基準が一定していることが非常に印象的だった。

選手自身も、その意味を素早く理解した選手は動きにポジティブな変化が見られ、成長を感じられる選手も多くいた。

日本はゲームになった時に、トップレベルでもスペーシングがうまくいかない時が度々見られる。

アントニオ・テンの指導を見ていると、どの年代でもスペーシングが本当に大切だからこそ、若い年代から常にそれを指導していく、指導する環境を作っていく、そして、年代に合わせてレベルを変えていくものの、一貫してスペーシングの重要性を伝える事で、トップレベルでもいい効果を持つのだと感じた。




日本人が海外で戦っていくために


日本人が海外で戦っていくために必要なことはなんだろうか。
スキル、フィジカル、メンタル、戦術理解度、語学、文化…
正直、まだまだ上げていけばきりがないと感じる。

それでもBリーグが誕生し、NBAドラフトに八村塁が1巡目で指名され、今年のNBAサマーリーグには4人の日本人選手が参加した。
これは物凄いことだ。

しかし、バスケットボールのレベルが高い国はアメリカだけではないことも事実であることを僕らはこれからもっと知っていかなくてはいけない。

その中でも、高いレベルにあるスペインリーグで戦う木下勲に、私はこれからの日本人が海外と戦っていくヒント、日本バスケットボールのレベルアップに大切なことが沢山あると感じている。

8月末からスペインリーグのTAUカステリョもシーズンが始まった。
今シーズンから木下勲も自身の経験やコネクションを使い、日本バスケットボールのレベルアップに繋がる活動をしていくようだ。

87ラボは今シーズン、スペインで戦う日本人、木下勲の挑戦を追いかけていく。
「人と同じ道を歩かない男」だからこそ、知っている世界は、きっと日本バスケットボールの未来を作る大切なピースになるはずだ。


木下勲公式のYouTube「musya」も展開


バスケに限らず、スペインに関する様々なことを発信するようだ。


公式Twitter



公式インスタグラム


 

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今日から本格的に新チームが始動しました。 クラブの目標は25年築きあげた歴史の中でも一番優れたシーズンにすることです。 日々努力し、共に過酷なシーズンを乗り越えてクラブに関わる全ての人が今シーズンは今までで一番よかったと思えるように一日一日を大事にしていきたいと思います。 また今シーズンから自分は新たな試みとして、日本からスペインへ挑戦したい人を後押しするために色々な事業を始めました。 常に挑戦ですが、今年は今まで以上に挑戦します。 日本から遠く離れた国にいますが、応援してくれている方々に良いお知らせが出来るように精進してまいります。 引き続き今後とも僕の活動を見守って頂ければ幸いです。

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