第12節 北海道vs琉球





目次


  • スタッツを振り返る
  • ペイントタッチの量と質
  • 両チームのこれから問われること

こんにちは、宮本です。
1ヶ月ほど更新をやめておりました。
理由は思うことが多くあり、
「バスケットボールが認知されていく中で求められるものはなにか」
考えてしまいました。

自身道産子として、北海道の情報を中心に発信してきました。
しかし、自身は東京在住であり、感じ方にも非常に誤差があることを感じながらも、
「それが北海道のため…」と思い発信をしてきました。

が、その偏りはローカルの視点であり、個人の想いであり…
日本バスケという視点に目を向ければ、もっと自身が発信できることがあるのではないか。と感じるようになりました。
(実際の反応の違いや地元メディアの色々、失望など…)

様々な地域のバスケを見る、感じる。ブースターとコミュニケーションをとることによって、47都道府県の違いも大きくなり始め、面白さを感じています。
発信される情報も違い見えてきて、バスケの可能性含め、面白さを感じています。

よって、今回からは自身の視点で観戦したゲーム(ゲーム自体は北海道が多いと思いますが)をレポートしていくことを中心にしていきたいと思います。

何より自分自身ももっと様々なバスケットボールに知りたいと感じるようになりました。

これまではどんな試合も北海道をメインに書いていたましたが、フラットな目で書いていけたらと思います。
ぜひ、全国の各チームブースターとも交流、意見交換の場所にしていきたいと思うので、何かあれば、ぜひご連絡をください。

今後とも87Basketball Labをお願いいたします。




スタッツを振り返る


今回は北海道と琉球の第12節(12/14,12/15)のゲームを振り返っていきたいと思います。
振り返りの前に1つ

琉球ゴールデンキングスを率いておりました佐々宣央さんが退任をされました。
クラブ公式リリース
https://goldenkings.jp/news/detail/id=14312

個人的に面識はございませんが、同じ学校の先輩として(成蹊学園)、心から尊敬するバスケ人のお一人です。
縁もゆかりもない沖縄、琉球ゴールデンキングスというクラブを追いかけていくのも佐々さんという存在があり、それによって知った沖縄、琉球ゴールデンキングスのオンコート、オフコート、ブースター、地域の素晴らしさをバスケを通じて多く感じました。

退任は残念でもありますが、心身の疲労というリリースを読むとまずはしっかりとお休みしていただきたいです。心から敬意とお疲れ様でしたという言葉をお伝えしたいと思います。




さて、今回も最初はスタッツを見ていきたいと思います。


ゲーム1 12/14 69-82 琉球win
ボックススタッツ(Bリーグ公式サイトから引用)
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4322

ゲーム2 12/15 69-84 琉球win
ボックススタッツ(Bリーグ公式サイトから引用)
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4323

4factor
北海道

琉球





数字だけを見る中で、感じた違和感が、POSS(ポゼッション)でした。
この2試合とも北海道は80を超えていません。
琉球もゲーム1は80を超えず、ゲーム2はオフェンスリバウンドを多く支配し、ターンオーバーが少なかったので、85を超えています。

北海道は現在POSS平均が83.67になります。

基本的に80を切ることはほとんどありません。
北海道は今シーズン「ディフェンスから速攻」というスタイルを目指しています。

その中でオフェンスの比重はファストブレイクと2Pになり(特に外国籍)
ファストブレイクを出すには
相手のオフェンスをどのように終わらせるか…
がポイントになります。

この2試合のファストブレイクポイントは
北海道が4(ゲーム1)と7(ゲーム2)
琉球が6(ゲーム1)と11(ゲーム2)
であり、北海道がやりたい展開に持ち込ませない琉球

例えば
・北海道をしっかりと崩してシュートまで持ち込む。
・ファストブレイクの危うい場面はファウルで止める。
・琉球のオフェンスは時間を使う。
その他諸々

など、琉球の試合全体のフレームワークがこの試合の勝利に繋がったと感じます。

時に北海道がハードにディフェンスをするところをうまく使い、琉球は北海道を意図的にローテーションをさせまくることによって後半に確実に穴をつくという狙いもあったでしょう。

結果北海道はファストブレイクと2Pが主体なので、POSS(ポゼッション)を落とせば、3Pを効果的に使う琉球の勝利の可能性が上がる。

琉球の3Pが入った。

という事実以上におそらく入らなくても琉球が優勢な試合展開を作っていたことが印象的なゲームでした。




ペイントタッチの量と質


では、キーになったディフェンスを崩すため、ここでいうローテーションさせまくるためにはどんな方法論があるのでしょうか。

その1つにペイントタッチがあります。
(ペイントタッチとは簡単に言えば、ペイント部分、3秒ルールのエリアに侵入すること。それによってディフェンスが脅威を感じて収縮する)

今回はそのペイントタッチの量と質を勝手に分析してみました。
(手作業なので誤差と分かりやすくするための個人的に解釈、まとめはご理解ください)

このデータはゲーム1になりますが、ポゼッションが大体同じなので、こちらの方が公平性があると感じます。

北海道のペイントタッチが38回、琉球が35回でした。
そしてそこから実際に加点した点数が、北海道が38点、琉球が42点でした。

この数字を見ても琉球の方が効率よくペイントタッチから加点していることはわかると思います。

1番注目したいのは、北海道はペイントタッチから3Pでの加点、アテンプトさえありませんでした。

逆に琉球はペイントタッチからの加点が12点、アテンプトも多く、コーナースリーだけで6本でした。

正直これだけを見てもこの試合どちらに勝つべきだったのかは見える結果となりました。




話を戻します。
ディフェンスのローテーションを考えるとオフェンスにおいてコーナーというポジションは鍵を握る場所です。

そこでボールを止めてしまうことはオフェンスの首を締めることになりますが、ラストにシュートを打つとなると話は変わります。

簡単に言えば、ディフェンスはボールとゴールに近いエリアをまず守ります。
なぜならそこのノーマークのシュート成功率は高いからです。
よって基本的にペイントにディフェンスは集まります。

しかしオフェンスにはスリーポイントという武器があるのでペイントを使ってから、外にパスを散らす(キックアウト)というプレーをします。
琉球の並里選手などがうまいプレーですが…

その時に空きやすくなる、ディフェンスが死角になりやすい、または移動しにくくなるエリアがコーナーになります。

解説が難しいですが、コーナーはペイントにボールがあったとするとボールを中心に見てしまうので、基本的にはコーナーには背を向けることになります。

結果的にパスの方が絶対に移動が速いので、

ペイントからボールが飛ぶ(この時、ディフェンスがペイントにいてしまったとする。)
パスの方が人の動きよりはやい。(振り向いて走るから。場合によってはオフェンスの場所を捉え切れてない場合もある)
シュートにかける時間が長く作れる。チェックがこない。
確率が高い。
入ると今度はディフェンスがペイントタッチに反応し切れなくなるため、ペイントで加点される。

という流れです。

もちろんそれに対して止め方、そこまでの構築など色々ありますが、この試合琉球の印象はSNSなどを見ると「岸本すごい!」という言葉を多く見ました。

もちろん岸本選手は凄いのですが、それ以上に琉球の「バスケットボールの原理原則」に基づいた構築が素晴らしかった試合でした。

時間のマネジメント
陣取りゲームという考え方
オフェンス、ディフェンスの考え方

全てにおいて琉球が上だったことは結果以上に内容が示したように思います。




両チームのこれから問われること


北海道は今後苦難が続くように思います。
ここまでの流れは決して悪くなかったと感じますが、ゲーム1で完敗を喫しても、外国籍の変更などはしませんでした。
これはむしろできなかったという方が正解のように思います。

今北海道はカミングス対策であり、今回の琉球のようにポゼッションコントロール、売りとしている激しいディフェンスを逆手に取られるローテーションの問題
また、期待のルーキーである中野選手の活躍(僕も個人的に期待している)もペイントタッチからの3Pの加点、アテンプトがないことを見れば、効果的なのだろうか…と疑問は思います。現状彼がディフェンスを努力している点の方をブースターはもっとこえをかけるべきかもしれません。

など…対北海道の対策がここ数試合で明るみに出てしました。

ここが今シーズンのポイントの1つになることは間違いないでしょう。
ディフェンスに以下にテコ入れをするか…
オフェンスに新しいオプションを増やすのか…
それとも今構築しているスタイルをより強化していくのか…

様々な方法論がイメージできる中で、どんな選択をしてくるのか。
個人的には興味があり、楽しみです。

また、クラブだけでなく、オールスターもあるポジティブな要素を持つ中で、地域、ブースターがいかにバスケ、北海道を盛り上げていくのかも、おそらく今シーズンの今後の鍵を握るでしょう。

僕は北海道は変わっていける。それだけのポテンシャルと可能性を持っていると感じています。

一方、琉球は佐々さんの退任がありました。
ある意味の帰路に立つ中では北海道と同じかもしれません。
ここからさらに琉球が進化していくためにこの連勝は大きなステップになったように思います。

HC視点から言えば、代行を行った藤田ACはおそらくそれを理解していたのではないでしょうか。

この2試合、藤田ACのリアクションは僕としては適切であり、スピーディーでした。
そして、スカウティングの部分でも勝因として藤田ACの構築が実際に大きく見えたわけです。

ここで負けるわけにはいかない。

そんな藤田ACの信念は間違いなく選手にも伝わっていたと思います。
岸本選手の爆発は間違いなく、岸本選手の力でありますが、そんなバックグラウンドもあった沖縄を背負った大爆発だったのではないでしょうか。

僕はそう感じます。

ブレずに進んでいくことがこれから琉球にとって何よりも大切なことだと感じますし、それを体現した北海道戦だったのではないでしょうか。

ここから新しいステップを踏んでいく両チームにはここからも注目していきたいと思います。


EXTRAPASS Podcast 032


こちらでも北海道vs琉球の試合について、また秋田ノーザンハピネッツ大分析




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