目次
- スタッツを比較してみる
- スリーポイントを見る
- リバウンドを見る
- 切り替えの曲面
- 結局、問われるものは
こんにちは、宮本です。
最近連載を始めた「新生レバンガ北海道を考える」
新生レバンガ北海道を考える No.3新生レバンガ北海道を考える No.3
新生レバンガ北海道を考える No.2新生レバンガ北海道を考える No.2
新生レバンガ北海道を考える No.1新生レバンガ北海道を考える No.1
ぜひ、まだ読んでない方がいれば読んでみてください。
いろんな方からもコメントを頂いたのですが、この時期は「勝手に妄想を広げること」が非常に楽しい時間です。
ファン、ブースターはいい意味で好き勝手に言える立場でもあります。
実はそんなことから、すごく生産性のある「きっかけ」をつかむこともしばしばあると思います。
最近政治などでも、色々あり、無関心が1番よくない。などと言われることが増えました。
まさにその通りだと僕も感じます。
これは以前から言っていることですが、中途半端とはいえ、Bリーグ4年目が終わりました。
4年というと大学生が卒業して社会に出るくらいの時間です。
極論ですが、そうなるとある程度、自分の考えやビジョンが生まれてきます。
こんなことをしてみたい。だけど分からない…あいつはしっかりしている。自分はこのままでいいのかな?
なんてことも考えたりするでしょう。
1番よくないのは何も考えないことだと思います。
そして、何も考えない人ほど、何かがあったときに人のせいにする傾向がある気がします。
これは極論ですが、それぞれのチームでカルチャーが生まれ始めています。(既にありますクラブも…)
わかる、わからないではなく、この今の社会情勢なども…難しい時期が続いていますが、
自分の考えをいろんな人とぶつけ合ってみることで、見えてくる未来があるのではないでしょうか。
最初は怖いと思います。しかし、正解はないと思います。
なぜなら、正解は自分たちで作り出していくものだからです。
それが今の時代であり、バスケットボールだと思います。
そんな感じで、ここに書かれている好き勝手なことや、様々な情報から導き出されることが、ぜひ皆さんのバスケットボールライフのアップデートにつながればいいなと思って、今回も更新していきます。
そういえば、昨年も3万字くらいのシーズンレポートを書きました。
あれも変に使われるなら、公開するとよかったな。という反省があります。
だから今年はここに書き記していきます。
学ぶべきことは過去にしっかりとあり、それらと向き合って起こす今の行動が、未来を作りいくことを信じています。
スタッツを比較してみる
ディフェンスの話をしようと思っていました。
しかし、数字を集めていたら、色々面白いことが見えてきしまって…また余計な遠回りをしていきたいと思います。
前回のこちらに書いたことを簡単にいうと
新生レバンガ北海道を考える No.3新生レバンガ北海道を考える No.3
レバンガ北海道は今季よりもスリーポイントが増えるのではないか。
その理由は宮永HCが所属していた富士通レッドウェーブのスタイルを参考にする(可能性がある)
富士通レッドウェーブも宮永HCが言及している「激しいディフェンス、そして人とボールが動くスタイル」である。
また、今季契約を交わしているメンバー(本日多嶋と桜井も契約)はそれにマッチしている選手であり、来シーズンのチームの核になる選手である可能性が高い。
ということを書きました。
今回はそれらを踏まえて、もっと様々なスタッツを比較してみたいと思います。
試合をピックアップしたいと思っていたのですが、先に全体像をつかむ必要性があると思うので、ご了承ください。
マクロ的に見ていくので、ざっくりした話になると思います。
図は今シーズンの富士通レッドウェーブ(赤)とレバンガ北海道(黄緑)のチームスタッツになります。
今シーズン富士通は16試合、レバンガは40試合をこなしました。
まず、始めにこれを読まずとも、ぜひこの数字はいろんな妄想のつまみにしてください。
人それぞれ、バスケの好きな部分や好きなスタイルによって、数字の見え方は若干変わってきます。
今回は僕の視点が入るので、全てが正しいわけではありませんが、何かの参考になればと思います。
この数字の中で、僕が注目した点を何箇所か挙げていきたいと思います。
スリーポイントを見る
まず、前回の続きで…
スリーポイントを見ていきたいと思います。(3PMが成功数、3PAが試投数になります。)
前回も書きましたが、富士通はWリーグの中でもトップのスリーポイントチームです。
試投数442本はぶっちぎりの1位です。
対してレバンガは試投数(733本)も成功数(238本)もダントツのリーグ最下位です。
これがどう結果に影響を与えたのか…それぞれの視点でも考えてみてください。
これを1試合平均に換算すると
富士通は
試投数が27.63
成功数が9.38
単純計算で27点くらいがスリーポイントからの点数です。
ちなみに平均得点(PPG)は71.62点でした。
レバンガは
試投数が18.33
成功数が5.95
単純計算で18点くらいがスリーポイントからの点数です。
ちなみに平均得点は(PPG)は75.6点でした。
比率として富士通のスリーポイントの割合の高さを感じると思います。
これを比較するときに、スタイルを考え、実際にそこまでの展開(作り方)を比較する必要がありますが、そこまでいくときりがないので、今回はざっくりまとめると
富士通はチームとしてスリーポイントを積極的に打つ。
かつ、そのような構築をしています。
一方、レバンガはスリーポイントを打つ構築をしていないので、スリーポイントの試投数が少ないですが、試合によって試投数の差が激しく、正直スリーポイントによって負けた(外れたからではない)試合が多くありました。
実際、スリーポイントを気持ちよく打てる環境ではなかったと思います、
その中で、スリーを決めきった試合が何度もあった多嶋や中野は非常に評価できる選手の1人だと感じています。
(確実に沈めないといけないプレッシャー、または流れや考えを少し無視してでもうちに行く度胸など…それがいいことかどうかは別)
前回も言いましたが、このスリーポイントの試投数が来季のレバンガはもう少し増えるのかなと感じています。
実際、今、契約している選手はスリーポイントを武器とする選手も多いので、彼らが核になること、彼らの強みであるスリーポイントが武器になるというイメージはブースターにとってはわかりやすいと思います。
そして、ざっくりですが、そもそも今季のレバンガはスリーポイントをそこまで重視していなかったので、スリーポイントを増やすとかどうとか…というのは正直言って、生産性のない議論だったのかもしれません。
また、今はスリーポイントが主流の時代になっているので、そのような情報にブースターも流されてしまう傾向はありますが、この後も話しますが…
レバンガの構築はさほど間違ってなかったのだとこのスタッツを見て、感じる部分もあります。
リバウンドを見る
次にリバウンドを見ていきましょう。
Bリーグは外国籍がいて、Wリーグは外国籍がいないので単純に比較は難しいですが…
富士通は1試合平均
オフェンスリバウンドが10.56本
ディフェンスリバウンドが28本でした。
レバンガは
オフェンスリバウンドが13.35本
ディフェンスリバウンドが22.18本でした。
今回、注目したいのはオフェンスリバウンドです。(なぜならディフェンスの話までいけないから)
富士通は何度もいうとおり、スリーポイントチームです。
そして、今季正直、その本数は沢山打ってますが、入ったわけではありません。(33.9%)
基本的には距離の長いシュートはロングリバウンド(リングから遠いところにはねる)になるため、オフェンス側にもリバウンドのチャンスが生まれやすくなります。(逆にいえば、ディフェンスにリバウンドを取られれば、攻めるリングに近いところでボールを保持する可能性が高いので、ファストブレイク(速攻)を出される可能性も高まる)
しかし、富士通は実際そこまで多くのオフェンスリバウンドをとっていません。
これは、誰がどのようにリバウンドに関与するか。何人がオフェンスリバウンドに関わるか?というところまでしっかりと構築さていたからだと、試合を見ていると予想できます。
よく、解説などでもオフェンスリバウンドに飛び込むことの需要性をコメントする人がいますが、それは正解であり、間違いだと思っています。
ちゃんといえば、ケースバイケースであり、そのクラブの考え方によります。
その辺は5/9に発売された「ダブドリ vol.9」に渋谷の伊佐HCも言及しているので、ぜひ買って読んでみてください。
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要するに傾向はありますが、正解はない。チームの考え方次第だと思います。
逆にレバンガはそこが曖昧であり、ラッキー!みたいなオフェンスリバウンドも多々取れることがありました。
また、シュート自体がしっかりといい構築から打ててない場面が目立ったため、相手も意表をつかれる場面もしばしば見られました。
切り替えの曲面
最後にスタッツからではないですが、この数字から予測できることを1つ。
バスケットボールとは、オフェンス、切り替え、ディフェンスという3つの曲面があります。
単純にディフェンスリバウンドが多ければ、速攻に行くチャンスも増えるわけで、切り替えの曲面が現れます。オフェンスリバウンドも取れなければ、切り替えの曲面がきて、ディフェンスになります。他にはターンオーバーが多いと切り替えの曲面が増えます。
この切り替えの曲面がめちゃめちゃ大事なことは、(まー、全部大事ですが…笑)観戦を多くされている方はなんとなく理解されていると思います。
要するに富士通はこの切り替えの曲面の約束事がしっかりとされていて、選手もそれをある程度遂行できた。
(ある程度という表現は、もっとできると思うから)
逆にレバンガはこの切り替えの曲面のトレーニングがあまりなされているようには感じませんでした。
ただ、ある意味、だからこそゴール下でのリバウンド争いの必死さのようなものを感じだと思います。必死さ、エナジーのようなものは大切です。
しかし、その前にできることをやらないと、そのエナジーを出し続けなくては戦えなくなってしまいます。
レバンガの3Qの失速などはこの辺りに原因があるのかもしれません。
(ただ、このエナジー、必死さはファンにとっては響く部分でもあると思う)
おそらく、宮永HCはその辺りに着手をするはずです。
来シーズンはこの切り替えの部分に注目すると面白いかもしれません。
余談ですが、昨シーズン解任されたジョゼ・ネトもこの切り替えの曲面を非常に重要視していました。
それは「ディフェンス」を強調する形で、表現されていました。
いいディフェンスができれば、いいオフェンスに繋がる
これはまさにその通りであり、それを続けていけば、見えた景色もあったのだと感じていたからこそ、当時は残念に思うことが多くあったことを思い出します。
結局、問われるものは
他にもまだまだあるのですが…
あまりにも長くなりすぎたので、今回はマクロ的な部分で、この3つ
スリーポイントとリバウンド(オフェンスリバウンド)そして、数字からなんとなく見える切り替えの曲面を考えてみました。
これを読んで、感づかれた方もいると思いますが、結局、問われるものはなんだ?と言われれば、
ディフェンスになります。(え?そうなの?となった方は次回も読んでください。笑)
正直、今シーズンのレバンガ北海道は数字を並べるとそれほどオフェンスが悪かった…という感じにはなりません。
それはもちろんカミングスやミークス、トラソリーニの個の力が大きいと思います。
実際得点は取れていたし、(個が強いので取れないゲームもあったけど)富士通とレバンガの得点効率を見てみると…
得点効率(PPP)
富士通 0,865
レバンガ 0,886
でレバンガの方が少し数字がいいのです。
もちろん男女の違いやリーグの違いなどはあるので、一概にこの数字を比較することは間違っていると思いますが、
得点を取る
という目的に対して、カミングスやミークスはある程度の効率の良さを示してくれました。
その中で、中野が爆発したり、多嶋が決めきるなどの試合ではかなりの得点を取ること、勝利することもできたと思います。
ただ、ここで1つ僕が引っかかるのが、それがレバンガらしさだったのだろうか?北海道らしさだったのだろうか?
ということです。
ここからは完全に個人的見解ですが、やはり折茂武彦という存在がいたクラブにとって、オフボール(ボールがない方のサイド)でスクリーンプレーからノーマークを作ってミドルシュートを決める。というイメージが強く刷り込まれています。
これは本当に個人的な見解ですが、要するに、レバンガらしさ、北海道らしさってなんだろう?
これは昨年も同じことを書いているのですが…
それはなんだろうか…
結局、カルチャーの部分になってくると思います。
そして、それは作られるものではなく、ファンやブースター含めて作っていくものなのです。
また、このコロナの時代だからこそ、そういう自分たちらしさやカルチャーは1つの指針になります。
それをしっかりと作らないところに(というかあると思う)これから先の積み上げはないのかな…
というのが個人的な見解です。
得点という数字だけを見れば、決して高くはありませんが、Wリーグの3位のチームよりいいので、これでも上位進出は可能だということが証明されます。(もちろんこの得点効率だけでは勝てないので、他の要因も掘り下げていきましょう)
そして、そこには富士通がスリーポイント以上にチームのカルチャーとして大切にする
ディフェンス
が存在するわけです。
おそらくオフェンス面ではスリーポイントが増えるのではないか。
という仮説ですが、ディフェンスに関しては絶対に作り直さなくてはいけない部分です。
次回は、富士通を参考にしながら、ディフェンスについて簡単に掘り下げていきたいと思います。
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