輪島射矢を追いかけて ~歓喜と涙~





目次


  • 第3の故郷、蒲田
  • この場所には「スポーツ」がある
  • 20年ぶりに見た涙
  • バスケットボールを通じて

こんにちは、宮本です。
どこでどのように書こうか悩みましたが、やはりここで書くことに決めました。

色々思うことや考えることがあり、ここまで書くべきか書かぬべきか…
悩んだこともありました。

でも、今回は書きたい。この日を残しておきたい。

非常に個人的な感情です。
戦術的でもなんでもない。
ただのバスケットボール好きの溢れた感情。

よかったらお付き合いください。


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今回その中で、日本代表や富士通レッドウェーブで活躍する同じ道産子の町田瑠唯選手のインタビューを担当させていただきました。

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第3の故郷、蒲田


僕は「蒲田」が好きだ。

そんなこともバスケットボールがなければ、きっと知ることもなかった。

かといって、蒲田という場所は自分の中で関係のない場所でもない。
羽田へ向かう時に必ず止まる駅。

飛行機をよく利用し、時に飛行機の写真だけを撮りに羽田にいく自分にとって、蒲田は決して遠い場所ではなく、むしろ自分にとっては身近な場所。

けれど、あのドラマの撮影地…

正直、それくらいの場所

そんな蒲田がバスケットボールを通じて、自分にとっての「第3の故郷」と感じるようになるとは思いもしなかった。

※故郷は札幌、第2の故郷は大学時代を過ごした吉祥寺




この場所には「スポーツ」がある


蒲田に来るようになったきっかけの1つが、とあるバスケットボール選手。

アースフレンズ東京Zに所属する輪島射矢選手だ。

たった1人の選手の移籍によって、今まで縁のなかった街に足を運ぶ。
そう考えると、バスケットボールの力とはすごいことを改めて感じる。

2月22日 vs 越谷アルファーズ戦。

アースフレンズ東京Zはここまでリーグ戦14連敗中。

なんとしてもこの大田区総合体育館で行われるホームゲームで勝利をみたいと多くの人が会場に足を運んでいた。

何より、僕は会場に入った時の大田区総合体育館、アースフレンズ東京Zの空気感が好きだ。
木の温もりを感じ、コートまでが非常に近くバスケットボールとブースターの熱気が伝わるアリーナ
そしてブースターも個性が際立っていながらも(笑)
これ以上ないアットホームな雰囲気は正直、他で感じたことはない。




コートを囲むファンからは失礼ながら14連敗しているチームとは思えない暖かさを感じる。
それでも、それぞれ想いを持っている強さや覚悟のような空気感がある。

この場所には「スポーツ」がある。
アリーナに行くたびにそんなことを感じる。

個性豊かなブースターがいて、
コートで行われるプロバスケットボール選手の物凄いプレーに目を輝かせる子供達。
なんならその保護者も子供達と共にコートに大きな声を送っている。

中にはじっと動かず、試合の内容をしっかりと自分の中で巡らせているブースターも。

スポーツとはそんな多世代、多種多様な人が1つの想いを持って同じ時間を共有できる素晴らしさがある。
年齢もここまでの経歴も学歴も何も関係ない。

「Amazing」な瞬間には、大人も子供も男も女も関係ない。

正直、日本にはまだまだ「スポーツ」がある街は少ないと感じている。
そんな中、バスケットボール、Bリーグはエンターテイメント、魅力的コンテンツとして注目が集まっている。
それ自体は素晴らしいことだ。
しかし、まだそれはスポーツになりきれてない部分もあるように感じている。

蒲田という街にはそこに住む人の想いと共に
「スポーツ」という文化が間違いなくあると僕は感じている。




20年ぶりに見た涙


そんな試合は前半アースフレンズ東京Zが20点差をつけてハーフタイムへ。

「今日はいけるぞ!」
「でも、今日もまた…」

そんな様々な感情が入り混じるアリーナがハーフタイムを迎えた。

しかし、本当にコートでのアースフレンズ東京Zのプレーは質が高く、何より美しかった。

後半、越谷アルファーズが意地を見せ、気づけば点差はなくなった。
第4クォーターにはこの試合初めて越谷アルファーズがリードを奪った。

「やっぱり今日もダメか…」

僕もそう思ったが、アリーナにはそんな悲壮感のような雰囲気は感じなかった。
これこそがブースターの力なのかもしれない。





コートと観客席は正直言って、同じ会場でありながら、全く違う景色だ。
バスケットボール、いやスポーツや音楽、なんでもいい。
その舞台に立った経験があるものであればわかると思う。

では、その違う景色を繋ぐものはなんだろうか。
それは応援だと思う。
しかし、僕はそれ以上に「信じること」なのだとこの日感じた。

応援がどれだけの力を持っているのか。正直不明である。
それがもしも不揃いであればあるほど、リズム感は失われるかもしれない。

この日、僕が会場でアースフレンズ東京Zから感じたのは、応援の熱量以上に
「信じること」だった。

MCUMEさんから始まり、ガッピー応援団長がスタートを切り、アリーナに響く応援。
それ以上に僕が感じたのはコートで戦う選手、そしてそれを囲むブースターが今日の勝利を信じていた。

そんな空気感だった。

その想いに乗せるようにエース増子のシュートが決まる。

試合終了のブザーと共に一気に感情が溢れたアリーナのベンチで、僕は20年ぶりに輪島射矢選手の涙をみた。




バスケットボールを通じて


歓喜に沸く選手の中で、最年長の輪島射矢選手が泣いていた。
村越選手が抱き抱え、みんなが笑う。

私的なことを言えば、僕は彼の中学の後輩だ。
その時フラッシュバックしたのは、輪島射矢、中3の夏…
最後の大会に負けた時に、崩れるように泣いていた。

あの時…気付いたら、自分も泣いていた。

輪島射矢の今シーズンは怪我との向き合いから始まった。
まだそこから復帰はできていない。

そんな中、バスケットボールを通じて、ここで再会し、懐かしい話をたくさんした。
そのほとんどを彼は覚えていない。笑

輪島射矢はいつも「今、この瞬間」を生きている。

どんな状況でも、「今、自分にできること」と向き合っている。

だからこそ、溢れたものがあるのだと思う。
輪島射矢の涙にも、それを取り囲む多くの選手の笑顔にも、今回の勝利のストーリーが間違いなくあった。


そして、バスケットボールを通じて僕は蒲田の人々と出会った。

その温かさは言葉にならない。

今回、試合の前にずっと会いたかった方々にも初めて会うことができた。
Twitterを介してのコミュニケーションはしていたが、
この勝利を共有したことで、もう何年もバスケットボールを通じてできた絆があるように感じた。

そして、ここからまた前に進み始める。
バスケットボールはそんな甘くはない。

ここから一気に勝利を重ねることもあるだろうし、もしかしたら負けることだってあると思う。

進んだり、止まったり、時にもがいたり、怪我をすることもある。
僕らはそれを「あゆみ」と呼ぶのだと思う。

これからもきっとこのクラブはそんな「あゆみ」を続けるだろう。

そして、それを応援し、一緒になってもがき、悩み、考え行動する温かい企業やブースターがいる。

蒲田にはそんな「バスケットボール」がある。

僕はそんな「蒲田」が大好きだ。


※余談


そんな余韻に浸りながら、家に帰り、夜
ふと携帯がある写真を表示した。

「5年前の今日」

そこに出てきたのは5年前に当時NBDLの山形に所属していた輪島射矢との写真

当時試合を観戦に行って再会した日だ。

もう5年もたったのか…

そんなことを想いながら。
いろんな思い出に浸った1日だった。




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